旅するようにくらす

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風の歌を聴け2

「火星の井戸」これは小説の中に出てくる仮想の作家デレク・ハートフィールドによる、仮想の作品である。

火星の地表に無数に掘られた底なしの井戸に潜った青年の話。

つい最近2ヶ月位前に南アフリカヨハネスブルグで新種人類の骨が発見されたというニュースを思い出した。

そもそもその宇宙を彷徨っていた青年に関しては自殺願望があったようだが、その真っ暗な洞窟なり、井戸なりに入る感覚は好奇心だけでは不可能に思える。ハートフィールドの話は架空としても新種人類の骨の話は実際調査員を公募したようで、条件は激狭の洞窟に入れる小柄な女性。
それだけだと私も行けるが、他の条件を完全に満たしていない。全く宇宙飛行士だの、なんだのは科学者だか研究者だかでないと意味が無いのは頷けるのだけれど。

パチン…off

話は逸れたが、要するに火星の井戸ヨハネスブルグの洞窟もある点では共通している。出れるかもわからない未知の世界に突っ込むという点ではそうとうの覚悟に違いない。そもそもハロウィンのゾンビにビビッているわたしには到底難しい挑戦だ。


火星の青年は約15億年かけて別の井戸につながる地上にでた。そこで風と対話する。対話といっても言葉に意味持たない風は、ありえない時間の空間を彷徨っていて、まるで何かを悟り得ているようだ。
時をかけるーそんな言葉が浮かぶ。時は唯一永遠に続く代物で、風と同じように生も死もない。存在するが、目に見えない。それに関してはよく分からないが、わたしの知っている言葉で表すとすれば、どこか懐かしい感じもする。とにかく、その存在はつながりをもっている。


わたしはこの短編を取り上げた節が面白いと思い、何度も繰り返し読んだ。

でも考えてみれば、宇宙の謎の莫大さや時間の果てしなさに比べれば、所詮そのほんのほんの一部であるわたしの存在と考えていることなど、しっかり削った鉛筆の先で書いた点より小さいだろう。