領事送迎会 - 旅するようにくらす

日本語学校がこれまで３年、お世話になっていたというT領事の帰国に伴い、送別会が行われるというので参加した。そもそも、ローストビーフが振舞われると聞いてそれにつられて参加したのだが、甘かった・・。

日本の外務省の方と同じ空間で食事をする機会など、後にも先にもないだろう。

３０名ほどの食事会だったのだが、一時間ほど前から会場セッティングを手伝った。

もう一つの仕事のおかげでテーブルセッティングが一瞬だった！Hahahaお得意のドヤ顔

色々経験が役に立つね、と校長先生からお褒め？の言葉を頂いた！

食事の準備ができたらみんなで領事のご家族を迎え入れるという流れだった。

校長、教頭をはじめ、各種お偉いさん方が出席されており、なぞの緊張感が走る。

「ローストビーフの会」などと朝から連呼していたのはどこのどいつだ。

そして領事を迎え入れる。

教頭の進行で各種お偉いさん方のスピーチから食事会が始まる。

今夜のメニューは学校の食堂のお母様方が作ってくださった、ローストビーフ、サラダ、お寿司、ミートボール、かぼちゃの煮物、焼きサーモン、そしてデザートと超豪勢。

その間もT領事との思い出などの話をききながらという感じだったのだが、なんでもT領事は、「外交官のお役人」というわりにはとても気さくな方で、領事館との垣根を取り払ってくれるような存在だったとか。

私たち新人にとっては、それこそ、はじめまして→さようなら。なのだが、（ローストビフの会って言っても仕方ないでしょう）聞いていると、ことあるごとに学校に足を運んでくださり、学校ととても信頼関係のある存在だったようだ。

宴もたけなわ、そろそろ和んできたころ思わぬ事件が発生！

司会の教頭が私のところに来て

「きみ、京都出身だったよな？領事も京都にいらっしったんだよねー」

わたし「は、はあ・・（やな予感）」

教頭はこの学校へ入る面接のとき、私の出身地が京都と聞いて、即採用してくれたまさに張本人なのだ。

「じゃ、スピーチお願い。」

「え、ええええーーーーーーーっ！！」

二言目には

「いや、聞いてないです笑　無理です。遠慮させて・・・・。」

いいおわらないうちに教頭は前へ戻って進行を進めているではないか・・・・！？

とりあえず、前へでて、マイクを持たされる。スピーチというか、軽く挨拶？をし、

とりあえず京都出身ということをアピールせよ、ということで

「私は生まれも育ちも京都で、銀閣寺、哲学の道の近くで育って来ました・・・」そんな話をしたような。

あまり記憶がないけど。領事は終始にこやかに笑って、「私はそんな由緒正しいところではなく、京都駅の南の柄の悪いとこにいたんですわ〜〜〜ははは」と明るい関西弁で返してくださったことはよく覚えている。

とても謙虚で優しい方だ。

その日の朝、こどもたちに丁度、「人は自分の鏡だから、挨拶はキチンとしなさい」というのを教えたばかりだったのだが、この会合で人柄というのは周りに強く影響を与える、というのを再認識した。

私以外のどのスピーチも素晴らしかった。（生徒会長の女の子もとても上手だった）

もちろんそれぞれの話の技術もあるが、領事がいかに周りの人間、環境に良い影響を与えてこられたかということがわかった。立場や職務は関係なく、人間一人の人柄がこうも周りに影響を与えるというのは誰にでもすぐできることではない。最後に、自分にできることを一生懸命やってきた、それが人様のお役に立っていたなら光栄である、という領事のお言葉が印象に残っている。自分や家族、周りに愛情を持って接している方の力強く重い、言葉だと感じた。他にもメモしたいくらい勉強になるありがたい話はたくさんあったが、書き続けると終わらないのでこの辺に。

やっぱり私のような凡人にはよくわからないけれど、校長曰く、このような方が日本を支えてくださってる。ということだ。

乱筆ながら、失礼な言い回しがありましたら申し訳ございません。

f:id:misaki150178:20151021044245j:plain